自室から国際舞台へと躍り出たハッカーたち─アーバントライブ(4)
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■「荒らし」から活動家まで
コールマン氏は、アノニマスは4Chanから生まれてきたものであり、4Chan上で人々は、「トロール(荒らし)」や地下活動といった、面白く、攻撃的で、グロテスクな行動を共有する事で連帯感を強めたと説明し、「戦闘中、一緒に塹壕の中にいるような感覚が存在している」と指摘した。
アノニマスは、とりわけ検閲や汚職、プライバシーの問題に関連した政治的な活動に取り組む集団へと進化を遂げた。
以前は「いたずら者や厄介者と思われていたが、今や活動家として知られるようになった」とコールマン氏は話す。
優れた専門知識をハリウッド(Hollywood)的な演出に生かすとともに、映画『Vフォー・ヴェンデッタ(V for Vendetta)』に登場したガイ・フォークス(Guy Fawkes)のマスクを、自らのシンボルに採用した。
デフコンに集うハッカーは、不必要に他人を傷つけることはしない、ソフトウェアの致命的な欠陥を公表する前に改善のための猶予期間を開発者に与える、といった信条を持っている。
「ハッカーたちは常にそうしたルールに従うとは限らないが、それは品位や倫理を持っているということとは別の話だ」とセル氏は話す。
ハッカーたち文化を擁護する人々は、あるシステムを崩壊するまで推し進めた後、システムを復活させる魅力的で新しい方法を探し出すという信念こそが彼らを特徴付けるものと主張する。
米SNS大手フェイスブック(Facebook)の共同創業者であるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は、ハッカーたちのこのような考え方を「社是」として掲げており、米シリコンバレー(Silicon Valley)にある同社の住所名は「One Hacker Way」となっている。(c)AFP/Glenn CHAPMAN