自室から国際舞台へと躍り出たハッカーたち─アーバントライブ(4)
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■美徳は技術とユーモア
コールマン氏によると、アノニマスのようなハッカー集団の内部では、素晴らしいプログラムやサプライズのある行動が称賛される一方、個人的な名声を追い求めるようなハッカーは嫌悪される。また、冗談を飛ばしたり、いたずらしたり、さらにはソースコードにジョークを忍び込ませるといったユーモアは頻繁に目にすることができるという。
「器用さや利口さは好まれる。それらを披露することで、それぞれのアイデンティティが形成され、お互いを結束させる契機となる」とコールマン氏は指摘する。
ハッカーたちには、多くの謙虚さも見て取れる。そのうちのひとつには、自らの「ハッカーネーム」を他人につけてもらうといったものがある。そして「変わっていること」は価値の高いものとして位置づけられている。
当局への情報提供者になることはタブーとみなされており、デフコンでは長らく、イベントに潜入している私服警察官を見つけ出した人に賞を与える「Spot The Fed(当局者を見つけ出せ)」というゲームも開催されている。
また、コンピューター・セキュリティーの分野で働くことはひんしゅくを買う行為とはみなされていないが、いいかげんな仕事は軽蔑の対象となる。
匿名での参加が一般的となっているアノニマスには、プログラミングとは全く関連のない、ツイートや動画の作成、集会の運営といった役割を担う人たちも存在する。
コールマン氏は、「全く異なった社会的地位やさまざまな人種的バックグラウンドを持つ人々が集まっており、個人的な名声や評価を追求するような行動はしないという倫理観が非常にしっかりと根付いている」と話す。