【10月31日 AFP】西アフリカの伝統的な葬儀で遺体に口づけをしたり手で触れる行為は、エボラ出血熱を含め感染症病を広げてしまう「スーパー・スプレッダー(super spreader)」であるため、やめる必要があるとの研究論文が、30日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 論文は、葬儀でのそうした行為をやめなければ、リベリアではエボラウィルス感染者が12月初めまでに1日224人のペースで増え続け、同月末までには1日348人ペースに達すると警告している。

 西アフリカの伝統的な葬儀では遺体を洗ったり、触れたり、口づけをしたりする慣習がある。大量のエボラウイルスは特に排せつ物内に生存していることがあり、遺体であってもこうした行為はいずれもエボラウイルスへの感染につながる可能性がある。

 研究は、米エール大学(Yale University)、米オレゴン州立大学(Oregon State University)の研究者と、感染が最も深刻なリベリアの保健省が、数学的モデル化に基づいて行った。

 研究論文によると、リベリアでは現在、2人のエボラウイルス感染者から新たに3人の感染につながっている。

 遺体を安全に埋葬する最善策として論文は、収納袋に入れる前に遺体を消毒し、その後もさらに消毒を施すことを奨励している。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、西アフリカでのエボラ出血熱感染者は1万3000人を超え、4900人以上が死亡している。(c)AFP