【10月31日 AFP】末期の脳腫瘍を患い、11月1日に自らの命を絶つと宣言して波紋を呼んでいた米国人女性が30日、新たな動画を公開し、死期を少しのばす可能性を示した。

 ブリタニー・メイナード(Brittany Maynard)さん(29)は今年、尊厳死を予告する動画をインターネット上で公開したところ、数百万人のユーザーに閲覧され、話題を呼んだ。

 メイナードさんが激しい頭痛に襲われるようになったのは、結婚したばかりの頃。今年1月に余命6か月の宣告を受け、侵攻性のがんであることから苦痛を伴う死になると告げられた。メイナードさんは当時、夫のダン・ディアス(Dan Diaz)さんとの間に第一子をもうけようとしていたが、病気のため断念した。

 夫妻は、当時住んでいたカリフォルニア(California)州から、米国内で「死ぬ権利」が認められている数少ない州の一つであるオレゴン(Oregon)州に移り住んだ。これによりメイナードさんは、自宅の寝室で家族に見守られながら自らの命を絶つのに必要な薬剤を、医師から処方されることが可能になった。

 メイナードさんは当初、人生の幕を閉じる日は、夫の誕生日の10月26日と自身の誕生日の11月19日の間になる予定と語っていた。

 だが、新たに公開された6分間の動画の中でメイナードさんは、尊厳死用の混合薬剤の自己投与を当面延期するかもしれないと語っている。「私はまだ十分に気分がいいし、十分な楽しみもあり、家族や友人たちと笑いあっているので、今すぐというのは正しいタイミングではないみたい」「でも、だんだん体調が悪化していると感じるので、いつかはその日が来ます。(体調悪化は)毎週起きています」

 この動画は、尊厳死の支持者らを支援するための募金集めの目的で立ち上げられたウェブサイト「www.thebrittanyfund.org」に投稿された。今月インターネット上に広まった最初の動画は、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」で再生回数が900万回を超えている。また、「www.thebrittanyfund.org」への訪問者は、およそ350万人に上る。(c)AFP/Michael THURSTON