【10月30日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)近郊にある民家敷地の地下から、約3400年前のトトメス3世(Thutmose III)の時代のものとみられる寺院跡が発見された。エジプト当局が29日、発表した。

 マムドゥーフ・ダマティ(Mamdouh al-Damati)考古相によると、この遺跡は、カイロの南約40キロの地域で掘削を行っていた男性ら7人によって、地下9メートルの深さから発見されたという。男性らは地下水の中を潜水用具を着用して掘り進めていたとされる。

 発見後の掘削作業は、同省の専門家チームが引き継いだ。男性らは違法な掘削を行っていたとして、一時的に身柄を拘束されたが、同地域は違法掘削が禁じられている地域ではなかったため、すぐに拘束が解かれた。

 同考古相によると、発見された遺跡からは、石板7枚、柱の礎石数個と像1体が見つかった。礎石と像はピンクの花こう岩からできていた。すべてトトメス3世時代の寺院の一部とみられるという。

 同国では、違法な掘削や出土品の密輸が相次いでおり、とりわけ2011年のホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領失脚以降は、その数が増加しているという。(c)AFP