リベリアでエボラ遺体減の報告、流行終息の兆しか
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【10月29日 AFP】西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の対策要員としてスタッフを派遣している赤十字(Red Cross)は28日、リベリアの首都モンロビア(Monrovia)で収容されるエボラ犠牲者の遺体数が大幅に減少したと発表した。
赤十字の発表によると、モンロビアを含むモンセラード(Montserrado)郡でスタッフが収容した1週間当たりの遺体の数は、最も多かった先月15~21日で315人だったのに対し、先週は117人と3分の1余りに減った。これは、エボラ熱の感染拡大が収まりつつあることを示唆しているという。
しかしこの発表は、同じく28日にエチオピアでの緊急会合に出席した国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長が、ウイルスの拡大は対応策を講じるよりも依然速いペースで進んでいると警告したこと、また世界銀行(World Bank)のジム・ヨン・キム(Jim Yong Kim)総裁が、さらに数千人規模の医療従事者を要すると訴えたことと矛盾するように思われる。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)も1週間前、リベリアと隣国のギニア、シエラレオネの3か国の首都では引き続き感染拡大が続いていると発表していた。
エボラ出血熱の犠牲者は5000人に迫っており、そのほぼ全てが西アフリカでのもの。この事態を受けて、フライトの欠航や入国制限、帰国する医療従事者に対する措置に非難が集中するなど、さまざまな影響が出ている。(c)AFP/Zoom Dosso