恋人を死亡させた義足ランナーの判決に不服、検察が控訴へ 南ア
このニュースをシェア

【10月28日 AFP】昨年2月に交際相手だったリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さん(当時29)を銃で撃って死亡させ、禁錮5年の量刑判決を受けて今月21日に収監された南アフリカの両足義足のランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告(27)への判決を不服として、南アフリカの検察当局は27日、控訴する方針を明らかにした。
国家検察庁(National Prosecuting Authority、NPA)の報道官は、「有罪判決と量刑判決の両方について控訴の意向を固めた」と明らかにした。
ピストリウス被告は、英米法でいう故殺(予謀なく行われた不法な殺人)と同等の過失致死罪で有罪判決を受けた。
トコジール・マシパ(Thokozile Masipa)判事は先月、ピストリウス被告を計画的殺人で有罪とするだけの証拠がないと判断。これに対し、被告が意図的にスティンカンプさんを殺害したことを証明しようとしていた検察側は反発していた。
控訴の詳しい内容は明らかにされていないが、NPAの報道官は「判決内容に関する控訴は法律そのものの問題に基づくもの」と述べた。
南アフリカの刑事弁護士らは、ピストリウス被告がスティンカンプさんを死に追いやっただけの発砲を行っておきながら、発砲で人が死ぬと予想できなかったのも無理はないとするマシパ判事の判断には衝撃を受けたとしている。
刑事弁護士らは、今回の判決により、司法制度が故意に悪用されたり、無責任に発砲しても構わないという印象を市民に与えたりする恐れがあると苦言を呈している。(c)AFP/Andrew Beatty, Susan Njanji