【10月28日 AFP】ウクライナの最高会議(議会)選挙で勝利した親欧米派は27日、連立協議を開始した。一方、東部では親ロシア派武装勢力が攻撃を再開。親欧米派が掲げている平和と欧州連合(EU)との連携強化という野心的な公約の前に立ちはだかる問題の大きさが改めて強調された。

 26日投開票が行われた議会選挙ではペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領を支持している親欧米・穏健派民族主義の勢力が圧勝。翌27日、連立樹立に向けた折衝が始まった。

 67%の選挙区から開票結果が報告された時点で、アルセニー・ヤツェニュク(Arseniy Yatsenyuk)首相率いる「国民戦線(People's Front)」とポロシェンコ大統領の「ポロシェンコ連合」の両党がいずれも約22%の得票率で接戦。この2党が連立を組み、ヤツェニュク氏が首相を続投することが予想されている。

 ロシアは分離独立派とウクライナ政府軍の戦闘の「平和的解決」を支持するものだとして選挙結果を歓迎。欧州委員会(European Commission)のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長は、同選挙を「民主主義と欧州改革の勝利」とたたえた。

 一方、選挙期間中に戦闘が止まっていたウクライナ東部では27日の早い時間帯に連続して砲撃があり、ポロシェンコ大統領が直面している問題の大きさが改めて強調された。

 親欧米政権は、ロシアとの関係修復、反政府運動の鎮静化、汚職の撲滅、膨大な債務の処理、ロシアからの天然ガス供給をめぐるほぼ常態化した危機の解決といった難題に取り組んでいかなければならない。(c)AFP/Sebastian Smith