カナダ銃撃犯、直前にビデオ制作 「政治的な動機」と連邦警察
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【10月27日 AFP】カナダの首都オタワ(Ottawa)で先週、男が兵士1人を射殺して国会議事堂に侵入した事件で、カナダ連邦警察(Royal Canadian Mounted Police、RCMP)は26日、議事堂内で警察に射殺されたマイケル・ゼハフビボー(Michael Zehaf-Bibeau)容疑者(32)が犯行直前に自身を写した動画を制作しており、事件は「イデオロギー(思想)と政治的な動機」に基づいたものだったとの見解を示した。
この見解は、容疑者の母親の主張と真っ向から食い違っている。母親のスーザン・ビボー(Susan Bibeau)さんは26日の新聞に掲載された声明で、疎遠になっていた息子のゼハフビボー容疑者は精神に問題を抱え、自殺願望を持っていたと主張。イスラム教とコーランを学ぶためにサウジアラビアへの渡航を希望していたものの、パスポート(旅券)の申請が繰り返し拒絶されたため、追い詰められて犯行に及んだとの見方を示していた。
だが、RCMPのボブ・ポールソン(Bob Paulson)長官は、事件を「テロ攻撃」と位置づけ、ゼハフビボー容疑者について「イデオロギーと政治的な動機に突き動かされていた。犯行直前に自身を撮影したビデオを準備していた」「RCMPは、証拠と情報を得るためにビデオを詳しく分析している」と説明した。
これに先立ち、RCMPのマイク・カバナ(Mike Cabana)警視副総裁はカナダ日刊紙ナショナル・ポスト(National Post)に対し、ゼハフビボー容疑者がシリア渡航を意図していたとの警察の発表は、スーザンさんへの聞き取り調査の録音を聞き直した結果、誤りだったと分かったと認めている。(c)AFP