ロシアで冬時間が復活、国民の不満を受け変更
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【10月26日 AFP】ロシアで26日から標準時が冬時間に戻された。2011年から試験的に年間を通して夏時間に固定していたが、国民の間で不人気だったことを受けて、今後は年間を通して冬時間を使う。
ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は今年7月、同大統領としては珍しく午前中に公の場に姿を現し、標準時を冬時間に戻すことを定めた法律に署名し、再び夏時間に変更することはないと明言していた。
ロシアはこのほか、太平洋に面したカムチャツカ(Kamchatka)半島から欧州連合(EU)と境界を接するカリーニングラード(Kaliningrad)までの国土を9つの時間帯に分けている設定を、以前の11の時間帯に戻す。時間帯の変更は2011年、当時のドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領が実施していた。
メドベージェフ前大統領は夏と冬で時刻を変更することによって国民のバイオリズムに不調をきたし、家畜のウシも「不幸になる」として冬時間を廃止して夏時間に固定することを決定。首都モスクワ(Moscow)でグリニッジ標準時(GMT)から常にプラス4時間となる時刻を導入していた。
しかし、国民の多くは真っ暗な冬の朝にも1時間早く起きなくてはならないことに不満を募らせ、抗議活動も起きていた。
ロシアの国営世論調査会社VTsIOMが今月実施した世論調査によると、冬時間への変更には国民の17%が反対し、39%が賛成。40%がどちらでもよい、と回答していた。
旧ソ連は1981年に夏時間を導入した。ロシアなど旧ソ連の各国では現在も、時間帯の設定は政治的に重要な問題になっている。ウクライナは夏・冬時間制を採用しているが、今年3月にロシアに編入されたクリミア(Crimea)は、編入後間もなくモスクワ時間に移行した。
ベラルーシは2011年、ロシアに歩調を合わせて夏時間に固定することを決めた。同国のアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は、冬時間に戻すことを断固拒否する構えをみせている。(c)AFP