【10月23日 AFP】2007年にイラクの首都バグダッド(Baghdad)で米民間軍事会社「ブラックウオーター(Blackwater)」の警備員が銃を乱射し、少なくとも14人の民間人が死亡した事件で、米ワシントン(Washington D.C.)の連邦地裁の陪審は22日、元警備員4人に有罪の評決を下した。

 事件は2007年9月16日、バグダッド中心部で要人を護衛中だったブラックウオーターの警備員が市民らに向けて機関銃などを乱射したり手りゅう弾を使用したりしたもので、イラク側の発表では17人、米国側の発表では14人が犠牲となった。事件でイラク人の間に反米感情が高まり、米政府と契約した民間軍事会社のイラクにおける刑事免責の問題が指摘された。

 有罪評決が下されたのは、第一級殺人の罪に問われたブラックウオーター元警備員ニコラス・スラッテン(Nicholas Slatten)被告(32)と、それぞれ故意故殺などの罪に問われたポール・スラウ(Paul Slough)被告(35)、エバン・リバティ(Evan Liberty)被告(32)、ダスティン・ハード(Dustin Heard)被告(33)の4人。裁判所の記録によると、スラッテン被告は事件前、米同時多発テロの仕返しとして、できるだけ多くのイラク人を殺したいと知人に話していたという。

 事件後、イラクでの事業免許を取り消されたブラックウオーターは、09年に「ジー・サービシズ(Xe Services)」、11年に「アカデミ(Academi)」と社名を変えている。(c)AFP/Chantal VALERY