【10月21日 AFP】英イングランドの公衆衛生サービス(Public Health EnglandPHE)は20日、深酒と24時間営業の酒小売店が、英国での肝疾患による死者数を40%増加させた一部要因であるとの調査報告書を発表した。

 12年にわたって行われた調査によると、肝疾患による死者数が増加しているのは欧州のなかで英国のみ。欧州全体では飲酒量そのものが減少しているという。英国での肝疾患による死者数は、2001年に7481人から、2012年には1万948人に増加していた。

 調査ではまた、住民1人あたりに対する24時間営業の酒小売店の割合によって、その死亡率に違いが生じていることも明らかになった。

 英北西部の沿岸都市ブラックプール(Blackpool)では、過去12年間で成人男性10万人あたり58.4人が肝疾患により死亡している。これは、南東部セントラル・ベッドフォードシャー(Central Bedfordshire)での10万人あたり13人に比べて4倍以上の数字となっている。

 ブラックプールでは、成人72人あたり1軒の割合でアルコール飲料の販売資格を持つ店が存在し、そのうちの約半数が24時間営業の許可を得ている。

 一方のベッドフォードシャーでは、成人280人あたりに1店舗の割合となっており、うち24時間営業の店は10%ほどだ。

 この調査報告についてPHEの肝疾患担当責任者は、肝疾患により死亡した人の約37%には過剰な飲酒がみられたとしている。また酒販売をめぐっては、最低価格を設定することや広告の規制など、アルコール摂取の抑制に向けた政策の必要性を強調した。(c)AFP