【10月20日 AFP】イランの古都エスファハーン(Isfahan)で、女性が何者かに酸を浴びせられる事件が相次いで発生し、住民の間では恐怖心が生まれるともに、体を衣服できちんと覆い隠していない女性を狙った犯行との臆測が広まっている。

 警察は犯行の動機についてコメントを拒否しているが、国営イラン通信(IRNA)は当局者の話として、容疑者は逮捕され、現在捜査が行われていると報じている。同当局者は、同国の首都テヘラン(Tehran)の南450キロにあるエスファハーンで4件の酸攻撃が報告されたことを明らかにしたが、その他の詳細については触れていない。

 一連の事件を受けてソーシャルメディア上には、「体の覆い方が悪かった」女性ドライバーに対する酸攻撃は13件に上るという情報とともに、車の窓を開けたままにしないよう注意を呼び掛ける声が飛び交っている。

 酸を使った襲撃事件は近年、パキスタンやアフガニスタン、インドでも発生しており、加害者らは「不品行な」振る舞いによって家族の「名誉を汚した」女性たちを罰したと主張している。

 1979年の革命以降、イランで施行されているイスラム法の下では、女性は頭と首を覆う「ヒジャブ」と呼ばれるゆったりとした衣服を着用しなければならない。

 しかし近年、体全体を覆う伝統的なチャドルの代わりに、髪の毛を完全に隠せない薄いベールに、ぴったりした衣類や太もも半ばまでの丈のコートを組み合わせて着用する女性が多く見かけられるようになり、保守派からはしばしば「不完全なヒジャブ」と非難されている。(c)AFP