ヒマラヤ吹雪、154人を救助 「死ぬと思った」「安全と言われたのに」
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【10月17日 AFP】(一部更新)ネパールのヒマラヤ(Himalaya)山脈でトレッキング中の観光客らがサイクロン「フッドフッド(Hudhud)」の影響による吹雪と雪崩に巻き込まれた事故で、救助隊は16日、ヘリコプターで外国人76人を含む154人を救助した。これまでのところ死者は30人以上に上るとみられる。
ネパール当局はこれに先立ち、外国人観光客ら100人以上と連絡が取れなくなっていると発表していた。
事故が起きたアンナプルナ(Annapurna)周辺は人気のトレッキングコースで、天候が荒れにくく気温も涼しい10月には毎年、数千人が訪れる。今週は、外国人観光客168人がアンナプルナ周遊コースのトレッキングに登録していた。
■生存者が語る吹雪の恐怖
イスラエルから来た24歳と21歳の観光客2人は、トレッキング開始10日目に吹雪に見舞われ、途中の喫茶店に避難して凍えながら一夜を明かした。低体温症を避けるため、眠らないようにしたという。
「とても恐ろしかった」「ずっと、もう死ぬのだと思っていた」とAFPに語った2人は、ネパールの救助隊に発見された後カトマンズ(Kathmandu)の軍病院に搬送され、凍傷の治療を受けている。
電話でAFPの取材に応じた米国からの男性登山客(18)は、トロンペディ(Thorong Phedi)のホテル従業員から「100%安全だ」と言われ、14日午前6時半に出発したと語った。ところが、途中で雪が降り始め、視界がどんどん悪くなっていったという。「雪はどんどん激しくなって、何も見えなくなった。そのうち大きな岩が落ちてくるようになった」
この男性はマナン(Manang)地区のゲストハウスに避難したが、そこには観光客21人とネパールのガイドやポーターらが避難していたという。男性は、事前に警告があれば14日にはトレッキングを続けなかったと述べ、「気象情報に関する警告をトレッキング客に伝える担当者の怠慢だ」と批判している。(c)AFP/Ammu KANNAMPILLY