【10月17日 AFP】オーストリアの首都ウィーン(Vienna)で行われているイランの核開発に関する協議に関してイランのモハマド・ジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は16日、合意までにまだ大きな障害が残っているものの、11月24日の交渉期限の延長に消極的な姿勢を示した。

 国営テレビのウェブサイトが伝えたところによるとザリフ外相は、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官と6時間に及ぶ集中協議を行った翌日の16日、「期限まであと40日あり、交渉担当者の中に期限延長が妥当だと考えている人はいない」、「皆が同じ意見だ。検討の余地すらないと感じている」と述べた。

 ある米国務省幹部も匿名を条件に、ザリフ外相とケリー国務長官、欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表(EU外相)がウィーン市内のホテルで会談した後の15日夜、「難しい決断を下す際、期限があった方が助けになる。今回も難しい決断に迫られている。われわれはここで決断しなければならない」と述べていた。

 ケリー米国務長官は16日朝ウィーンを後にしたが、ザリフ外相は同地に残り、アシュトン氏が議長となって国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国(米英中仏露)にドイツを加えた6か国(P5+1)の交渉担当者らと引き続き協議を行った。

 イランの核計画をめぐっては、過去10年間緊張が高まってきた。現在の交渉は、イランが核の平和利用を装って核兵器開発能力を手にするのではないかという懸念を払拭することを狙いとしている。

 それに向けてP5+1の6か国は、核活動の範囲を大幅に狭め、その見返りに厳しい制裁を緩和するとしているが、イランは、原子爆弾の製造を目指しているのではなく、発電やがん治療のため核計画の拡大を希望していると主張して6か国側の要求に抵抗している。

 EUのマイケル・マン(Michael Mann)報道官は16日遅く、「イラン核問題の解決を目指す外交努力は今、非常に重要な局面を迎えている。前進すべく努力を重ね、来月24日の交渉期限までに包括的な解決策を見出そうと引き続き尽力している」と述べた。(c)AFP/Simon STURDEE