【10月17日 AFP】ロシア政府は16日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」対策として、米露が情報共有を進めることで合意したと米側が発表したことについて、国連安全保障理事会(UN Security Council)の承認がない限りそのような協力を行うことはないと否定した。外務省が声明で明らかにした。

 ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は14日、フランス・パリ(Paris)で行われたロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相との会談後、米露が情報共有を強化していくことで一致したと発表。今回ロシア外務省が出した声明は、これをはっきり否定するものとなった。

 ロシア外務省が発表した声明は、「国連安保理の支持を受けることなく作られたいかなる『有志連合』にも参加しない。そういったものは国際法に違反している」と明言。また、米露二国間の対テロ協力体制をほごにしたのは米国の方だと指摘するとともに、ロシアはシリアとイラクといった国々に対してはすでに「大規模な支援」を行っており、今後も継続していく意向を表明した。

 ロシア政府が米国務長官の発表を真っ向から否定したことにより、親露派武装勢力が親欧米の政府と対立を続けているウクライナ危機で冷え込んだ両国関係が悪い状態にあることが改めて浮き彫りにされたといえる。(c)AFP