【10月16日 AFP】米政府は15日、米主導の有志連合がトルコ国境沿いにあるシリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)での空爆でイスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の戦闘員「数百人」を殺害したと発表した。一方で、コバニが陥落する恐れはまだ残っていると指摘。また、イスラム国がイラクとシリアで勢力を大きく拡大していることも認めた。

 イラクの治安部隊は、首都バグダッド(Baghdad)近郊にあるアンバル(Anbar)州の州都ラマディ(Ramadi)に進攻したイスラム国を、数時間にわたる激戦の末に撃退した。だが、対イスラム国有志連合の調整に当たるジョン・アレン(John Allen)米大統領特使は、イスラム国がイラクで重要な前進を勝ち取り、「戦術的な勢い」を保っていると警告。同国とシリアでイスラム国を打ち破るために必要な地元部隊の構築には時間がかかるだろうと語った。

 一方、シリア北部の国境の町コバニでは、米主導の激しい空爆作戦に支援されたクルド人部隊が、イスラム国の進撃を防ぎ、一部地域を奪還したと伝えられている。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、空爆により「コバニ内外で数百人のイスラム国戦闘員」が殺害されたと述べた上で、さらなる戦闘員が同地域に流れ込んでおり、コバニが「陥落する可能性は多分に残っている」と指摘した。(c)AFP