米2人目のエボラ感染者、隔離前日に旅客機搭乗
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【10月16日 AFP】米国内でエボラ出血熱に感染した2人目の医療従事者が、隔離される前日に国内線の旅客機に搭乗していたことが分かり、当局は同じ飛行機に搭乗していた132人との接触を試みている。
この女性医療従事者は10日、フロンティア航空(Frontier Air)便でテキサス(Texas)州ダラス(Dallas)/フォートワース(Fort Worth)からオハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)に渡り、13日にダラスに戻った。 翌14日に発熱し、直ちに病院内で隔離する措置が取られた後、陽性の検査結果が15日に発表された。
米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)のトーマス・フリーデン(Thomas Frieden)所長は、この医療従事者は診断前の数日間は国内飛行便に乗るべきではなかったと述べた上で、同乗者がエボラウイルスに感染した「可能性は極めて低い」と語った。
「彼女はエボラに接触したことがわかっているグループに入っている。民間航空機で旅行すべきではなかった」とフリーデン氏は記者団に語った。また、CDCのガイドラインでは「制限された移動」の必要性が定められており、許可された交通手段には公共輸送機関の利用は含まれていないとも指摘。新たな感染例の発生は「極めて憂慮される」もので、今後数日間にさらに多くの感染者が出る可能性があると警告した。
この女性医療従事者は最初の感染者と同じく、ダラスのテキサス・ヘルス・プレズビテリアン病院(Texas Health Presbyterian Hospital)で死亡したリベリア人のエボラ出血熱患者、トーマス・エリック・ダンカン(Thomas Eric Duncan)さんの治療に携わっていた。
フリーデン所長によると、女性はエボラ感染の兆候を自己監視しており、体温が37.5度まで上がったことに気付いていたが、エボラ患者との接触者で受診が定められている38度の体温には達していなかった。さらに、同僚のエボラウイルスへの感染は、飛行便への搭乗時にはまだ知られていなかった。
フリーデン所長は「彼女には嘔吐や出血の症状はなかった。周囲にいた人たちの危険度は極めて低いが、特別な安全性をとるために全員に連絡を取る」と述べた。CDCでは、13日にオハイオ州からテキサス州に飛んだフロンティア航空便の同乗者132人との面談を試みているという。 (c)AFP/Kerry SHERIDAN