香港デモを支持する本土出身者のジレンマ、中国
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【10月16日 AFP】香港(Hong Kong)の民主派によるデモが、意外な人々からの支持を勝ち取っている──香港の人から煙たがられながらも市内各地に暮らしている中国本土出身者たちだ。彼らは香港のデモに対する中国政府の強硬姿勢に挑み、ソーシャルメディア上で同胞たちから寄せられる反感もものともしない。
香港の人々にとって本土出身者らは、人口過剰な香港に移り住み、病院のベッドから乳児用の粉ミルクまで、あらゆるリソースを奪い取る存在とみなされ、長年にわたり苛立ちを向ける対象となってきた。
一方、完全な形での民主的な香港行政長官選挙の実施を求める今回の香港のデモについては、中国本土の人々は大半があきれ顔だ。「国家主義者」たちの暴言を招き、共感を示すわずかな人々は当局に拘束されてしまう。
しかし香港に住む本土出身者の中には、2週間前に始まった民主派のデモに勇気をもって加わり、運営の手助けや運動論的な支援を行い、さらに中国共産党が一党支配する本土では固く禁じられていること──民主主義への支持表明──を享受している人たちがいる。
「本土だったら、自分の信念のために牢屋に放り込まれることだってある」と広東(Guangdong)省出身で社会学を学ぶリーさん(21)は言う。「香港でデモに加わって、民主主義を求めるスローガンを叫び、自分が本当に信じていることのために立ち上がることは、真に解放的な体験」だと語った。
ただし、実名は伏せておいてほしいと言うリーさんは、香港のデモで北京語を話したことはなく、「台湾アクセント」の広東語だけを使っている。そして自分が通う大学の欧米人学生たちと常に離れないように行動し、広東省にいる両親に「迷惑が掛からないよう」顔をマスクで覆っている。
香港のデモを支持し参加する本土出身者の数を突き止めることは難しいが、こうした動向は香港の民衆の反乱が本土へ広がるという、中国政府にとっては悪夢のようなシナリオへの「ドミノ効果」の可能性を高めるものでもある。