【10月15日 AFP】F1第15戦日本GP(Japan Grand Prix 2014)決勝で頭部に外傷を負ったマルシャ(Marussia F1 Team)のジュール・ビアンキ(Jules Bianchi)について、所属チームのマルシャが14日、ビアンキは「厳しい」状況に直面していると発表した。

 四日市市内の病院で「深刻ではあるが安定」した状態が続いているビアンキについて、マルシャは家族の求めに応じて声明を発表した。

「この9日間は、ビアンキと家族にとって極めて難しい時間でした。鈴鹿での事故により、治療面で多くの難局を乗り越えねばならず、びまん性軸索損傷を負ったジュールは厳しい状況が続いています」

 豪雨の中で行われた5日の日本GP決勝で、ビアンキはレース終了間際に撤去用車両と衝突し、それ以来、三重県立総合医療センターの集中治療室に入っている。

「ジュールの無数のファン、モータースポーツ界からの配慮と祈りは、ジュールの家族の心を癒やし続けています」

「とりわけ、ロシアGP(Russian Grand Prix 2014)のコースでみられた多くの後押しと愛情は、ジュールの両親、さらに病院にいる親類と友人にとって、とてつもない力となりました」

 ビアンキの両親であるフィリップ(Philippe Bianchi)氏とクリスティーヌ(Christine Bianchi)夫人は、現在も病院で本人のそばに付き添っている。

 フィリップ氏は、イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)紙が14日に掲載したインタビューの中で、「傷ひとつなく、ベッドに横になっている息子を見て、頬に軽くキスをして思わずこう言ったことが何度かあった。『さあ起きなさい、何をいつまで寝ているんだ』とね」と話した。

「わずか1週間で、私たち家族の人生は壊れてしまった。悪夢だ。私たちにできるのは、待ち、祈ることだけだ」

(c)AFP