トルコ軍、クルド武装組織の拠点を空爆 イスラム国進撃の余波
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【10月14日 AFP】トルコ軍は13日夜、同国南東部のクルド人武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers' Party、PKK)」拠点に対しF16戦闘機による空爆を行った。トルコの治安当局が14日発表した。トルコ政府や国際社会の大半がテロ組織とみなすPKKに対する空爆は、2013年の停戦以降で初めて。
匿名の情報提供者によると、空爆が行われたのは、住民の大半をクルド人が占めるイラク国境に近い、トルコ南東部ハッカリ(Hakkari)県のダグリカ(Daglica)村。
隣国シリア北部のトルコ国境沿いの町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)では、トルコへ向かって進軍するイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」と、防衛するクルド人部隊による激しい戦闘が起きている。こうした事態が、トルコ政府とPKKの脆弱な和平プロセスを揺さぶっている。
シリア北部のISの進撃を阻止する措置を講じないトルコ政府に業を煮やしたトルコのクルド人社会は前週、トルコ南東部の複数の都市でデモを実施。デモでは治安部隊などとの衝突が発生し死者も出た。
トルコの治安筋はAFPに対し、コバニでの戦闘に連鎖し、PKKが11日以降、ダグリカの警察署を銃撃したため、空爆はそれらの襲撃に対応するものだと語った。(c)AFP