【10月14日 AFP】トルコ政府は13日、シリア国内のイスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に対する空爆のため米軍にトルコの空軍基地の使用を許可することで米政府と合意に至った事実はないと否定した。一方で、シリアの反体制派に訓練を提供することで合意したことは認めた。

 米当局者らはこれに先立ち、米軍がトルコ南部のインジルリク(Incirlik)空軍基地から空爆を実施する許可をトルコ政府から得たと表明していた。だがトルコのビュレント・アルンチ(Bulent Arinc)副首相は、首都アンカラ(Ankara)での閣議の後、記者団に対し「現在、同盟諸国と綿密な交渉を行っているところだ。だが、インジルリクについての進展はない」と述べ、米当局の発表を否定した。

 また匿名を条件にAFPの取材に応じたトルコ政府当局者も「インジルリクについて米国との間に新たな合意はない」と語った。米空軍はすでにインジルリク基地を輸送および人道目的で使用しているが、同基地を空爆で使用するためにはトルコ政府との間で新たな合意が必要になる。

 トルコ政府は、米主導の対イスラム国有志連合への支援強化を求める欧米諸国からの圧力にさらされている。トルコ国境から数キロメートルしか離れていないシリアの町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)では、クルド人部隊がイスラム国との攻防を続けている。(c)AFP/Stuart WILLIAMS