【10月10日 AFP】1か月以上も公の場から姿を消したままの北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記は10日、恒例となっていた平壌(Pyongyang)の錦繍山太陽宮殿(Kumsusan Palace of the Sun)参拝も欠席したとみられることから、正恩氏の健康や政局の行く末の不安が、さらに高まっている。

 推定年齢30~31歳の正恩氏は、平壌で先月3日に李雪主(リ・ソルジュ、Ri Sol-Ju)夫人と楽団の公演を鑑賞して以来、公に姿が目撃されていない。

 この件に関して韓国政府は、北朝鮮の実権を握るのは依然として正恩氏であるとの見方だ。北朝鮮国営メディアも正恩氏を「尊厳ある無敵」な絶対的権力保持者とたたえている。

 正恩氏の「失踪」に関する憶測は、休養期間が長引いているというものからクーデター説まで幅広い。疑われる病名も、痛めた足の治療から痛風、糖尿病など様々だ。

 最も広く信じられているのは健康に問題があり、一時的に執務を離れているという説だ。

 朝鮮中央通信(KCNA)は労働党の創建記念日にあたる10日、正恩氏の父親の故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記と祖父の故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を参拝した朝鮮労働党幹部らの氏名を伝えているが、この中に正恩氏の名前はなかった。だが正日氏と日成氏の銅像には正恩氏の名で献花があったという。(c)AFP/Giles HEWITT