【10月10日 AFP】デンマーク玩具大手レゴ(Lego)は9日、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)との提携を解消すると発表した。両社の提携関係を批判する国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)が、レゴブロック製の北極のミニチュアが壊滅的な原油流出事故に見舞われる動画を作って展開した抗議キャンペーンが大成功を収めたかたちだ。

 ただ、レゴのヨアン・ビー・クヌッドストープ(Joergen Vig Knudstorp)最高経営責任者(CEO)はシェルとの提携解消の発表に当たり、「(レゴ社には)グリーンピースの活動の一部になるつもりはない」と明言した。

 グリーンピースが7月に動画サイトのユーチューブ(YouTube)に投稿した動画「Everything is NOT Awesome」は、既に600万回以上再生された。動画タイトルはレゴの世界を描いた映画『LEGOムービー(The Lego Movie)』の楽曲名をもじったものだ。

 動画は、レゴブロックで作られた北極が舞台。ミニチュアの北極には原油採掘装置(リグ)が点在し、ホッキョクグマや子どもたちが遊ぶ光景が、やがて原油の中に沈んで行く様子が描かれている。最後に、一面の原油の海にはシェルの旗だけが残り、「シェルは子どもたちの想像力を汚染している」とのスローガンが浮かぶ。

 グリーンピースのキャンペーン運動が標的にしたのは、シェルのガソリンスタンドで伊高級スポーツ車メーカー・フェラーリ(Ferrari)の車のレゴモデルを販売する2011年の契約。この契約はデンマークメディアによると推定1億300万ドル(約110億円)の価値があった。(c)AFP/Tom SULLIVAN