【10月9日 AFP】シンガポールからベトナム中部クアンチ(Quang Tri)省に向かう途中に海賊に乗っ取られていたベトナムのタンカーが、積載していた石油の一部を抜き取られた後で解放された。ベトナム当局者が9日、明らかにした。乗員は全員無事だという。

 このタンカーは、ベトナム北部ハイフォン(Hai Phong)の港にある造船会社が所有するベトナム船籍の「MTサンライズ689(MT Sunrise 689)」。乗組員18人が乗船したサンライズは、5200トン以上の石油を積載して1週間前にシンガポールを出港したが、間もなく連絡を絶っていた。

 ベトナム海事局のグエン・ニャット(Nguyen Nhat)局長は、乗員2人が軽傷を負ったものの、他の乗員にけがはなかったと語った。

 国際海事局(International Maritime BureauIMB)の「海賊情報センター」も、「サンライズは乗員と船舶ともに無事で、ベトナムの安全な港に移動している」との確認声明を発表した。

 近年の海賊行為では、攻撃したタンカーから積み荷の石油や燃料を他の船に移し替える事例が多発しているが、死者を出す攻撃報告は出ていない。(c)AFP