【10月9日 AFP】トルコと国境を接するシリア北部の要衝アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)への攻勢を強めるイスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」へのトルコ政府の対応が不十分だとして、同国各地でクルド人らが行ったデモで、少なくとも21人が死亡する事態となったことを受け、トルコ軍は8日、同国南東部の一部地域に夜間外出禁止令を発令した。

 クルド人デモでの騒乱は近年で最悪の規模になっており、不安定なトルコとクルドの和平プロセスにも頓挫の危険性をもたらしかねない情勢だ。1990年代の大規模なクルド人暴動以降、夜間外出禁止令が敷かれるのは初めてで、実施に向け東部の複数の都市に軍部隊が配置された。

 暴動はクルド人住民が大半を占める南東部に集中しているが、イスタンブール(Istanbul)や首都アンカラ(Ankara)でも発生。無人のバスに火炎瓶が投げ込まれたり、デモ参加者が警官らに向かって投石したりする事態となり、警察は催涙ガスや放水銃を使用してデモ隊の解散を試みている。(c)AFP