エボラ患者の飼い犬に殺処分命令、反対運動広がる スペイン
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【10月8日 AFP】スペインの保健当局は7日、首都マドリード(Madrid)でエボラ出血熱への感染が確認された看護師の飼い犬の殺処分を命じた。看護師の夫や動物保護団体はこれを受け、犬を救うための運動を開始した。
看護師の夫で、自身も隔離下に置かれているハビエル・リモン・ロメロ(Javier Limon Romero)さんは、マドリード市保健当局の決定に異議を唱えるために報道機関に接触。スペイン全国紙エルムンド(El Mundo)に対し「もし私が承認しなければ、自宅に踏み込んで犬を殺すための裁判所命令を取り付けると通告された」と語った。
当局は声明で、犬がたとえ症状を示していなくともウイルスを保有している可能性があると指摘。体液を通じて感染を広める恐れがあると説明している。
ハビエルさんによると飼い犬の「エクスカリブル(Excalibur)」は、十分な水と餌と共に夫婦の自宅内に隔離されており、自分で外に出て用を足すこともできるという。
このニュースを受け、ツイッター(Twitter)上では「#SalvemosAExcalibur(エクスカリブルを救え)」とのハッシュタグの下で議論が白熱。殺処分命令を取り消すよう求める請願運動も始まった。
動物保護団体「PACMA」は、エボラウイルスが犬から人に感染する証拠はないと指摘し、犬に対する検査・隔離と、必要な場合には治療を受けさせるべきだと訴えている。(c)AFP