トルコ国境のシリア要地に陥落の危機、トルコ大統領は地上戦示唆
このニュースをシェア
【10月8日 AFP】トルコは7日、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」がシリア北部のトルコ国境沿いにある主要な町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)を完全掌握しようとしていると警鐘を鳴らした。イスラム国はこの町の制圧を目指し3週間に及ぶ攻撃を続けており、すでに数百人が死亡しているとされる。
イスラム共同体であるカリフ制の国家の樹立を宣言し、トルコ国境の広い範囲で戦闘を繰り広げている「イスラム国」にとって、アインアルアラブの陥落に成功すれば快挙となる。
戦闘が重要局面を迎える中、米国とアラブ諸国は、シリアのクルド人の町として第3の規模を持つこの町付近の「イスラム国」の陣地に新たな空爆を実施した。
一方でトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、戦略上の要地であるアインアルアラブが「陥落の危機にある」と警告するとともに、「欧米諸国に言いたい。上空から爆弾を投下するだけでは解決にはつながらないと」と述べて「イスラム国」を倒すには地上作戦が必要という見方を示した。
英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、「イスラム国」が9月半ばにアインアルアラブに向けた攻撃を開始して以降、同町内とその周辺で少なくとも412人が死亡、うち半数以上がイスラム過激派の戦闘員だとしている。(c)AFP/Fulya Ozerkan with Sara Hussein in Beirut