【10月7日 AFP】香港(Hong Kong)で民主的な行政長官選挙を求める抗議運動を主導する学生団体は6日夜、対話に応じることで香港政府と合意したことを明らかにした。主要道路などで座り込みを続けていたデモ隊だが、道路封鎖解除を求める圧力が強まる中、デモ参加者は急減している。

 デモ隊から辞任を求められている梁振英(Leung Chun-ying)行政長官は、政府庁舎周囲の道路を占拠しているデモ隊に対し、道路封鎖を解いて政府業務を再開させるよう強く警告。これを受け、5日夜には数万人規模のデモ参加者たちが次々とデモ現場を離れていった。

 だが、香港の主要繁華街で抗議運動の中心となっている金鐘(アドミラルティー、Admiralty)には依然として数百人が残っており、商業街、旺角(モンコック、Mong Kok)のデモ現場でも同程度の人数が占拠を続けている。

 抗議運動を主導する学生団体の指導者らは、民主的な行政長官選挙を求める抗議運動は勢いを失ったとの見方を否定。週内にも政府側との交渉を行うことが決まったが道路封鎖は続行すると強調した。

 これに対し、梁行政長官はテレビ演説で、デモ隊が占拠を続ける旺角は「危険度が高い」として、改めて「即時解散」を強く求め、「暴力的な犯罪を阻止し負傷者が出ないよう、適切な時期に警察が行動を起こす」と警告した。旺角ではデモ隊と突如現れた「反対派」の間で衝突が起きている。

 学生団体が主導する統率された民主派デモは、警官隊が催涙弾を使用したこともあって当初は一般市民の同情を集めていたが、市内の各主要地で道路を1週間以上にわたって占拠し、交通や商業活動に支障を来すようになり、市民の不満が高まっていた。6日も占拠された道路が通行できなくなったことや公共バスの運休で道路は渋滞し、地下鉄は通勤客でごった返していた。(c)AFP/Laura MANNERING, Aaron TAM