【10月7日 AFP】スペインの首都マドリード(Madrid)の病院で、エボラ出血熱に感染し後に死亡した患者2人の治療に当たっていた女性看護師1人がエボラウイルスに感染したと、スペイン政府が6日発表した。アフリカ大陸以外での感染が確認されたのはこれが初めて。

 西アフリカでは、エボラウイルスにより今年に入って約3500人が死亡している。スペインのアナ・マト(Ana Mato)保健相はテレビ放送された記者会見で、この看護師の同ウイルスへの感染が2度の検査で確認されたことを受け、緊急治療計画を策定したと発表。「全国民の安全確保のため尽力している」と述べた。

 この看護師は、アフリカでエボラ出血熱にかかって8月と9月に相次いでスペインに帰国しカルロス3世病院(Carlos III Hospital)で治療を受けていたものの、間もなく死亡した高齢の宣教師2人の治療チームに所属していた。

 女性看護師は先月30日に体調不良を感じ始めていたものの、発熱を訴えて受診したのは今月5日になってからだという。

 既婚で子どもはいないという准看護師のこの女性は現在、マドリード南郊のアルコルコン(Alcorcon)の病院に隔離され、治療を受けている。

 記者会見したマドリードの一次医療ディレクター、アントニオ・アレマニー(Antonio Alemany)氏は記者会見で、この看護師がエボラウイルスに感染した以降接触があった可能性のある全員の特定を保健当局が急いでいることを明らかにした。(c)AFP/Anna CUENCA