【10月6日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)で5日、ローマ・カトリック教会の家族に関する教義を見直す「世界代表司教会議」の臨時総会が始まった。フランシスコ(Francis)法王は開幕ミサで、結婚や離婚、同居カップルといった問題に対するカトリック教会の立場の改革を支持する強力なメッセージを発した。

 200人近くの上級聖職者が出席する同総会で、フランシスコ法王は、これら問題についての教会の現在の教えと、数千万人の信者の現実の生活とが大きく乖離(かいり)していると指摘し、対策の必要性を示唆した。

 2週間にわたり続く非公開の同総会では、離婚して再婚した信者に対する聖体拝領の許可の是非など、神学上の難問が討議され、教会内の保守派と改革派との攻防が展開される見込み。同性カップル間の子どもに対する洗礼の是非なども、討議の課題の一つとなるもようだ。ただ、同性婚や避妊などの問題については、容認の方向には動かないとの見方が強い。

 法王は開幕ミサで、マタイ(Matthew)による福音書の「邪悪な牧師は自分では指一本動かすことなく、耐え難い重荷を他人に負わせる」との一文を引き合いに出し、「司教会議は、美しく賢い考えを討議したり、誰が最も知的かを決めたりするためのものではない」「神のブドウ畑をより良く管理し、手入れをするためのものだ。この場合では、神は私たちに家庭を気遣うよう求めている」と述べた。

 就任から18か月余りとなる同法王は、教会は信者の中に多く存在する離婚経験者、同居カップル、シングルマザーを排除し裁くのではなく、家庭の崩壊により「傷を負った者」の世話をするべきだと繰り返し主張してきた。(c)AFP/Angus MACKINNON, Jean-Louis DE LA VAISSIERE