エボラ熱の医療従事者2人回復、独仏で治療 仏女性に日本の薬
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【10月5日 AFP】西アフリカで医療活動中にエボラウイルスに感染し、欧州の病院に入院していたフランス人看護師とセネガル人医師が回復し、退院していたことが分かった。医療関係者が4日、明らかにした。
マリソル・トゥーレーヌ(Marisol Touraine)仏保健相は声明で、緊急医療援助団体「国境なき医師団(Doctors Without Borders、MSF)」のボランティアとしてリベリアで活動中にフランス人としては初めてエボラウイルスに感染した若い女性看護師が回復し、退院したと発表した。この看護師は9月19日に空路でフランスに到着し、パリ(Paris)郊外の軍の病院で未承認薬を試験的に投与されていた。看護師の身元は明らかにされていない。
一方、ドイツ北部ハンブルク(Hamburg)のハンブルク・エッペンドルフ大学病院(University Clinic Hamburg-Eppendorf)も同日、シエラレオネでエボラウイルスに感染した世界保健機関(World Health Organization、WHO)のセネガル人男性医師が回復したことを明らかにした。
同病院は声明で、「医師の経過は良好で、他者に感染させる可能性はない状態が続いている。医師がようやく帰国できることを非常にうれしく思っている」と述べた。
8月下旬から同病院に入院していたこの医師についても、疫学が専門ということ以外は公表されていない。治療に未承認の薬が使用されたかどうかも不明だ。
仏保健省は、3種類の未承認薬の使用を許可している。富士フイルムホールディングス(FujiFilm Holdings)傘下の富山化学工業(Toyama Chemical)によると、回復したフランス人看護師の治療には同社の抗ウイルス剤「アビガン(Agivan)」(一般名「ファビピラビル(favipiravir)」)が使われた。この薬は日本で今年3月、インフルエンザ治療薬として承認されていた。ただし仏政府は、看護師の治療にこの薬が使われたのかどうかは公表しない方針。(c)AFP