香港の民主派デモ隊、襲撃を受け政府との対話を中止
このニュースをシェア
【10月4日 AFP】香港(Hong Kong)で民主的な次期行政長官選挙の実施を求めてデモを行っている組織の一つ、香港大学生連合会(学連、Hong Kong Federation of Students、HKFS)は3日、中国支持派を含むデモ反対派による、民主派の抗議キャンプに対する襲撃を警察が阻止しなかったことを非難し、大規模デモの収束を目的とする香港政府との対話を中止すると発表した。
同日香港では警察が秩序を維持しようとしたにもかかわらず、いくつかの地区でデモに反対する複数の集団が、平和的な座り込み抗議を続けていたデモの中心組織であるオキュパイ・セントラル(占領中環、Occupy Central)の人びとを襲撃し、デモ参加者が負傷し、血を流す事態となった。
学連は、犯罪組織が騒ぎを起こすために金を払って襲撃犯を雇ったと主張し、政府と警察は平和的なオキュパイのデモ参加者を狙った三合会(香港を拠点とする犯罪組織の総称)の暴力行為を見て見ぬふりをしたとして、「対話の中止以外に選択肢がなくなった」と発表した。
対話は、辞任要求に直面した梁振英(Leung Chun-ying)行政長官が2日、デモ隊との対話のため政府高官を派遣すると発表し、学生側が応じるとしていたもの。
アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)のメイベル・オウ(Mabel Au)香港支部ディレクターは3日深夜、香港の繁華街、銅鑼湾(Causeway Bay)と旺角(Mong Kok)で女性が暴力を振るわれていたのを直撃見たという証言があるとして、「今夜の警察の怠慢は恥ずべきものだ。当局は平和的な抗議者が襲撃されているのを守る義務を果たさなかった」と述べた。
デモ参加者の一人ジェニー・チェン(Jenny Cheung)さんはAFPの取材に、「警察は私たちが平和的な抗議をすると催涙ガスと唐辛子スプレーを使うが、私たちが襲撃されているときには何もしない」と語った。(c)AFP/Katy Lee