【10月4日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は3日、拘束していた英国人援助関係者アラン・ヘニング(Alan Henning)氏(47)を殺害する場面と見られるビデオ映像を公開した。

 公開された映像は、これ以前の人質3人の殺害とほとんど同様の内容だった。映像の中で覆面をしたIS戦闘員は、次は米国人ピーター・カッシグ(Peter Kassig)氏とされる人質の男性を殺害すると脅迫した。

 ヘニング氏とカッシグ氏は、シリア国内の民間人に援助物資を届けるボランティアとして活動している時に拉致されていた。

 ヘニング氏はシリア向けの支援物資を輸送する車両の運転手として活動していた。 カッシグ氏はイラクに駐留した経験もある米陸軍兵士で、後に援助組織を創設するため中東に戻った。今回公開された1分11秒の動画の終わりではカッシグ氏は生存している。

 米民間監視団体「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」がインターネット上で発見したこの動画は、英議会がイラク国内のイスラム国への空爆を承認したことを伝える先週のニュース映像で始まり、次に砂漠を背景にオレンジ色の囚人服のような服を着てひざまずくヘニング氏に、覆面をした男がコンバットナイフを振りかざす場面になる。

 イスラム国が前回公開した英国出身のデービッド・ヘインズ(David Haines)氏の殺害場面の動画に出ていた人物と同様に英国アクセントで話す覆面の戦闘員は、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相に直接語り掛け、「デービッド・ヘインズの血は、キャメロン、お前の手に付いている。アラン・ヘニングも殺されるが、この男の血は英国議会の手に付く」と述べ、人質の首を切った。

 キャメロン英首相は、この動画は本物とみられるとした上で殺害を強く非難し、殺害に関与した者たちに必ず法の裁きを受けさせると述べた。(c)AFP/Dave Clark