ライフル機関部を製造する卓上機械、米国で発売
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【10月3日 AFP】世界で初めて3Dプリンターでプラスチック製の拳銃を製造した人物が1日、最新の発明品を披露した──誰でも簡単に半自動小銃の中核部品を製造することのできる、あらかじめプログラミングされた工作機械だ。
米テキサス州(Texas)オースティン(Austin)在住のリバタリアン(自由至上主義者)、コーディー・ウィルソン(Cody Wilson)氏の団体ディフェンス・ディストリビューテッド(Defense Distributed)が発表した「ゴースト・ガンナー(Ghost Gunner)」の価格は1199ドル(約13万円)で、発表から数時間で40件以上の予約を受け付けた。
「アルミニウムを加工できる卓上機械だ」と、ウィルソン氏はAFPによる同製品の簡潔な説明の求めに対し、電子メールで述べた。「十分な知識を持っていない人が簡単に銃を製造できるようにプログラムした」
米コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)の小学校で子ども20人が死亡した2012年の銃乱射事件など乱射事件が相次ぐ中、銃規制派は半自動小銃の規制を求めており、ゴースト・ガンナーが銃規制派の間で大きな懸念を巻き起こすのは必至だ。
ウィルソン氏は昨年、3Dプリンターで誰でも製造できるプラスチック製の単発式小型拳銃「リベレーター(Liberator)」を発表して大きな騒動を起こした。設計図のファイルはディフェンス・ディストリビューテッドがリリース。米国務省が武器輸出管理法(Arms Export Control Act)に基づきウィルソン氏にインターネットから設計図を全て削除させたが、ファイルはすでに国外のファイル共有サイトに拡散していた。
ゴースト・ガンナーは、AR-15型小銃の機関部を製造するプログラムが施されている。機関部は発砲に必要なメカニズムが組み込まれた銃の核となる部分だ。
憲法が武器を所持・携帯する権利を保障する米国で、機関部は銃の中で最も規制が強い部品で通常はシリアルナンバーを持っている。だがゴースト・ガンナーでは、識別情報のない銃の機関部下部を誰でも自作することができ、市販品の銃床と銃身と組み合わせれば、完全に作動する銃が手に入る。
ウィルソン氏によるとゴースト・ガンナーの組み立てはオースティンで行われ、発送はクリスマスごろからになる。国外からの予約も「今後2日で」受け付けできるようになる見通しという。(c)AFP