仁川アジア大会は「失敗」していない、広報担当
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【10月3日 AFP】韓国・仁川(Incheon)で開催中の第17回アジア競技大会(17th Asian Games、Asiad)の広報担当は3日、苦情が噴出する中、大会は「失敗」しておらず、大会組織委員会は限られた予算の中で最善を尽くしたと語った。
サルモネラ菌が検出された弁当箱やスタジアムの空席、輸送問題が主催者の頭を悩ませたが、広報担当は大事件は起きなかったと述べた。
「大きな事故や多数の犠牲者を出すことはありませんでした。私は大会の質が非常に低かったとは思いません」「膨大な赤字も発生していません。いくつかの問題は起きましたが、仁川アジア大会が失敗だとは言えません」
「個人的には、国際的なスポーツイベントとして失敗したとは思っていません」
45の国と地域が参加した今大会の予算には、約20億ドル(約2117億円)が投じられた。主催者側は、約9500人が参加した大規模イベントを、低予算で開催する計画を長らく自賛していた。
しかしながら、サルモネラ菌が検出された数十個の弁当が廃棄処分になるなど、いくつかの事件が目を引いた。輸送機関に対しても不満が生じ、ジャーナリストたちは業を煮やして、道に座ってバスを立ち往生させさえした。
資金が潤沢な韓国アーチェリー協会(Korea Archery Association、KAA)は、アーチェリーの競技会場をアップグレードし、「アーチェリーを愛する方々のためにより良い経験を提供するため」にケータリングを出した。
全36種目が催された大会中、陸上競技が行われた仁川競技場(Incheon Asiad Main Stadium)では全日にわたり客席の大部分で空席が目立つなど、観客の少なさも目立った。
しかし、広報担当は再び、多額の費用が投じられた広州(Guangzhou)での2010年大会や華やかな五輪などに比べ、今大会は予算が限られたものだと主張した。
「当初、われわれは組織面での問題を抱え、その対応が後手に回りました。記者の方々には不便をおかけしました。それについては私自身が謝罪します」
「予算の正確な数字は申し上げられませんが、限られた予算の中では、既存施設の利用や多少の不便が避けられないことは、われわれにとって当たり前のことです」
「私自身の考えでは、より予算の多い大会と今大会を比較することは現実的ではありません」
(c)AFP