【10月3日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が、シリア内のトルコ国境に近い主要な町に迫っている中、トルコ国会は2日、イスラム国に対する軍事行動を承認した。

 これにより、シリアとイラクへ軍を派遣することや、外国の部隊が対イスラム国の軍事作戦を展開するためトルコ領内を通過することが認められた。

 今回承認された動議はトルコ政府に幅広い権限を与えるものとなっているが、イスラム共同体であるカリフ制の国家を宣言して残虐行為を繰り返しているイスラム国が広範囲を掌握しているシリアとイラクという2つの隣国に直ちに派兵することを、トルコ政府に義務付けるものではない。

 米国はトルコに対し、シリア領内でイスラム国に対する空爆を行うため、米軍戦闘機がトルコ南部にあるインジルリク(Incirlik)空軍基地を使用することを許可するよう要請している。

 しかしトルコが殺傷兵器の自国領内通過を認めるかどうかは不透明で、人道援助や非致死性物資に限定する可能性もある。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は1日、欧米諸国に対し、イスラム国に向けて「無数の爆弾」を投下するのは一時しのぎに過ぎないとして、シリアとイラクでの危機に長期的な解決策を見出すよう呼び掛けた。

 米側は、長期的解決策に至るには時間がかかる恐れがあるとしている。(c)AFP/Fulya Ozerkan with Serene Assir in Beirut