イスラム国の進攻、トルコ国境にさらに接近
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【10月2日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が、シリア北部のトルコ国境沿いにあるクルド人の主要な町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)にさらに迫っている。英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が2日、警告した。クルド側の一部戦闘員は前線から撤退したという。
シリア人権監視団のディレクター、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)氏は「ISはコバニの南東側と西部戦線に進攻し、そこからクルド人民防衛隊(YPG)は撤退した」と述べ、「ISがごく近いうちにコバニの市街地に進攻する現実的な懸念がある」と警告した。
ISはコバニ掌握を目指し2週間以上戦闘を続けている。ISの進攻に先立って米軍主導の部隊が、コバニ南部と南東部でISに対して少なくとも5回の空爆を実施した。しかし、ISは依然、最短3キロの距離から町に砲撃を続けた。
アブドル・ラーマン氏によるとコバニの市街地では、最後の防衛線が突破されたときに備え、クルド人の治安部隊が「市街戦の準備」を進めているという。武器の乏しい数百人のクルド人の戦闘員は、戦車や重火器、多連装ロケットランチャーなどを備えたISの数千人規模の戦闘員に立ち向かうことになる。
「町にはまだ数千人の民間人が残っている」とアブドル・ラーマン氏は述べた。
ISにとってアインアルアラブ制圧は、長く続くシリア・トルコ国境線の切れ目ない掌握をもたらすため、非常に大きな戦果となる。(c)AFP