韓国社会の人種差別問題、国連が調査を開始
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【10月1日 AFP】人種差別に関する国連(UN)の特別報告官が今週、韓国でみられる人種差別や外国人排斥などの問題の実態調査を開始した。
アジアで最も単一民族社会に近い国の一つである韓国では、まだ規模は小さいものの外国人の人口が増加しているが、韓国人から常に歓迎されているとは言えない。例えば、テレビ番組で顔を黒く塗ったパフォーマンスをしたり、「ディス・アフリカ」という新銘柄のたばこの広告でニュースアンカーの服を着せたチンパンジーを登場させたりといったことが起きている。
「これは知識不足によるところが大きい」と、 韓国のシンクタンク、峨山政策研究院(Asan Institute for Policy Studies)のキム・チユン(Kim Ji-Yoon)氏は言う。「人種差別とは何かを理解していない人や、言っていいこと、いけないことがあることを認識していない人がこうした行動を取るのだ。私たちはこういった教育をまだ受けていない」
低賃金で肉体労働をしている外国からの出稼ぎ労働者たちは、もっとあからさまな差別も受けている。また、2012年にフィリピン系韓国人のイ・ジャスミン(Jasmine Lee)氏が外国出身者として初の国会議員になった際、インターネット上では悪意にあふれた人種差別的なバッシングが起きた。
先月29日から1週間の調査を開始したムタマ・ルテレ(Mutuma Ruteere)特別報告官は、労働省や外務省、国防省、司法省、教育省などの大臣らと面会する予定だ。
外務省の当局者は「彼(ルテレ氏)は韓国軍が多民族の背景をもった兵士たちにどう対応するのか、学校の教科書は差別問題についてどう教えているのか、外国人労働者はどう扱われているのか、どんな規則や法律が施行されているのかについて関心を持っている」と語った。
今回の訪韓をふまえた同氏の報告書は、2015年に国連人権理事会(UN Human Rights Council)に提出される。