米でエボラ患者、アフリカ以外で初の診断例 入国後に発症
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【10月1日 AFP】(一部更新、写真追加)米保健当局は9月30日、西アフリカから米国に入った男性が、米国内でエボラ出血熱にかかっていると診断されたと発表した。米国内でエボラウイルス感染が確認されたのは初めて。患者はリベリアでエボラウイルスに感染した後、米テキサス(Texas)州に入っていた。
米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)のトム・フリーデン(Tom Frieden)所長は同日、記者団に対し、「われわれが知っている限り、アフリカ大陸以外でエボラ出血熱と診断された患者はこの人が初めてだ」と述べた。フリーデン所長は男性と同じ飛行機に乗っていた人がエボラウイルスに感染した恐れは全くないと付け加えた。
米疾病対策センターの報道官がAFPに明かしたところによると、この患者はエボラ熱と似た症状を呈して入院し、エボラウイルスへの感染が確認された。男性の氏名や国籍などは公表されていないが、医療関係者ではないという。
テキサス州保健省によると、西アフリカからテキサス州に到着した数日後に症状が出たため、9月28日に同州ダラス(Dallas)にあるテキサス・ヘルス・プレズビテリアン病院(Texas Health Presbyterian Hospital)に入院したという。
米疾病対策センターのフリーデン所長によると、男性はテキサス州にいる家族と会うため9月19日にリベリアを出発し、翌日に米国に到着した。24日に症状が出始めて26日に診察を受け、28日に入院して隔離された。主に男性の家族の「少数の人」が発症後の男性と接触したとみられており、エボラ熱の症状が出ていないか体調を厳密に観察している。
米国では、西アフリカでエボラ出血熱の治療支援に当たっていてエボラウイルスに感染した医療関係者がすでに数人出ており、帰国して治療を受けた結果、全員回復している。しかし米国内でエボラ出血熱の診断が下されたのは今回の男性が初めて。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)によると、今年に入ってからこれまでに西アフリカ5か国で6574人がエボラ出血熱にかかっており、うち3091人が死亡している。(c)AFP/Kerry SHERIDAN