【10月1日 AFP】アフガニスタンと米国は9月30日、安全保障協定を締結した。これにより、1万人規模の米軍部隊が引き続きアフガニスタンに駐留可能となる。就任したばかりのアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)アフガニスタン大統領が、亀裂の入っていた米国との関係修復を目指し、大きな一歩を踏み出した。

 9月29日に大統領を退任したハミド・カルザイ(Hamid Karzai)前大統領は、この安保協定への調印を拒否していた。その意見対立は、2001年にアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)政権が崩壊した際の楽観ムードの中で生まれた二国間関係の悪化を象徴していた。

 首都カブール(Kabul)にある大統領府でガニ新大統領が見守る中、アフガニスタンのハニフ・アトマール(Hanif Atmar)国家安全保障顧問と、米国のジェームズ・カニンガム(James Cunningham)駐アフガニスタン大使が同協定に調印した。

 その後ガニ氏は、「われわれは国民のため、また地域と世界の安定のためになる協定に署名した」と語り、この協定によって約35万人の自国の治安部隊向けの米国からの資金提供も継続されることを明らかにした。ガニ氏は大統領選で、自らが選出されれば就任直後にこの協定を締結すると公約していた。

 一方バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領も、同協定の締結を歓迎。米国とアフガニスタンの関係にとって歴史的な日になったという見方を示した。さらにこの協定で、「国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の残党の一掃と、アフガニスタン国家治安部隊の訓練・指導・支援という極めて重要な2つの使命を実行するのに必要となる法的な枠組みが確保される」と述べた。

 米国が主導する北大西洋条約機構(NATO)の部隊がアフガニスタンで行ってきた活動は今年末で完了する。その期限を前にタリバンは攻撃を繰り返しており、アフガニスタンの軍と警察の力量が試されている。

 NATO部隊撤退後の来年1月1日には、米軍兵最大9800人と、独・伊をはじめとするNATO加盟国の兵士ら約3000人からなる部隊がアフガニスタンでの活動を引き継ぐことになっている。(c)AFP/Ben Sheppard