【9月29日 AFP】ロシアは28日、人工衛星を搭載した無人ロケット「プロトンM(Proton-M)」の打ち上げに成功、衛星を無事軌道に投入した。プロトンMは今年5月、離昇後間もなく地球に落下したが、今回はその失敗以来初の打ち上げだった。

 ロシア宇宙庁(Roscosmos、ロスコスモス)は声明で、通信衛星を搭載したプロトンMロケットがモスクワ(Moscow)現地時間28日午前0時23分(日本時間午前5時23分)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)から予定通りに打ち上げられたと発表した。

 ロスコスモスによると「衛星はモスクワ時間午前9時26分(日本時間午後2時26分)にブリーズM(Briz-M)上段ロケットから切り離され、所定の軌道に到達した」という。

 プロトンMロケットは今年5月16日、同国最新鋭の通信衛星の一つを搭載して打ち上げられたが、10分足らずで故障が発生、大気圏上層で炎上した。ロシアはこの失敗を受け、プロトンMの打ち上げを一時中断していた。

 プロトンロケットは露宇宙産業の「稼ぎ頭」で、欧米やアジアの人工衛星の打ち上げで年間数千万ドルの利益を上げている。だが改良型のプロトンMは相次いで問題に見舞われており、欧米製のロケットに取って代わる、信頼性とコスト効率が高いロシア製ロケットという評判が脅かされている。

 プロトンMは2013年7月にも、ロシア製のグロナス(Glonass)測位衛星3基を搭載して打ち上げられたが離陸に失敗し、地上に墜落した。(c)AFP