【9月29日 AFP】米国主導の有志連合によるシリア空爆は28日も続き、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の収入源となっている石油施設や、同組織の指揮系統などを標的に実施された。

 米中央軍(US Central Command)によると、米国は、有志連合に参加するサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)と共に、シリア国内のラッカ(Raqa)北方のモジュラー型(簡易組立方式)製油所4か所と、イスラム国の指揮統制関連施設1か所を空爆。「初期段階の兆候では(空爆は)成功した」という。

 英国の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、隣国トルコ・アクチャカレ(Akcakale)から国境を挟んだシリアのテルアビヤド(Tal Abyad)近郊で、少なくとも3か所の精油所を標的とした空爆が行われたと伝えている。イスラム国は精製した原油をトルコのバイヤーに密輸していたという。

 アナリストらは、イスラム国は石油密輸で1日300万ドル(約3億2700万円)の収入を得ていたとみている。

 また同監視団によると、同日には、イスラム国の支配下にあるシリア最大のガス製造所の入り口も、有志連合による空爆を受けた。ガス製造所を放棄させるための警告とみられるという。(c)AFP