【9月28日 AFP】ポーランド西部ポズナニ(Poznan)の動物園で飼育されている仲むつまじいロバのカップルが25日に同居を再開し、公衆の面前で繁殖行動をする権利を回復した。

 カップルはここ10年で子どもを6頭もうけ、この数日前にも人目につく場所で交尾していた。動物園に来ていた母親2人はこれにがく然とし、小さな子どもにこうした場面を見せるのは不適切だとして反発を表明。これに共感した野党「法と正義」の地方議員リディア・ズディアク(Lidia Dudziak)さんが、直ちに動物園の説得に動いた。動物園の管理当事者はこれに対応し、急いで2頭の間にフェンスを設置して別居させた。

 しかしこの決定は冷笑され、国内メディアで大きく伝えられた。タブロイド紙の一つは、ナポレオン(Napoleon)と名付けられた雄のロバの写真を、犯罪容疑者のように目隠し線を入れ、性器の部分も黒く隠して掲載した。

 2頭には直ちに同情が集まった。複数の専門家は、性欲抑止がロバの心理面にもたらす悪影響を指摘し、ネット上では2頭の同居を求める署名活動に数千人が参加した。

 この日動物園の管理当事者は、陳謝した上で2頭の別居を撤回し、同居を再開したカップルを見に来るよう市民に呼び掛けた。管理当事者はウェブサイトに掲載した声明で、「生まれついての行動を理由に動物が不自由な思いをするのは、決してわれわれの本意ではなかった」と釈明した。(c)AFP