【9月28日 AFP】スペイン東部カタルーニャ(Catalonia)自治州のアルトゥル・マス(Artur Mas)首相は27日、独立の是非を問う住民投票を11月9日に行う方針を正式表明した。これを受けて直ちに同国中央政府は、住民投票は違憲だとして阻止する姿勢を示した。

 マス首相は州都バルセロナ(Barcelona)市内の同自治州政府庁舎で行われた式典で投票実施に必要な政令に署名した後、「カタルーニャは自身の意志を示し、投票を実施したい」と語った。

 これに対し、中央政府のソラヤ・サエンスデサンタマリア(Soraya Saenz de Santamaria)副首相は、首都マドリード(Madrid)で開かれた記者会見で「スペインの国家の枠組みに関する民意が第一」とした上で、「この住民投票は違憲であるため、実施されることはない」とコメントした。

 カタルーニャ自治州の独立を求める動きはここ数年力強さを増しており、英北部スコットランド(Scotland)の住民投票を目前に控えた今月11日には、バルセロナ市内で住民投票の実施を求める180万人規模のデモが行われた。

 スペイン経済をけん引しているカタルーニャ自治州だが、2008~12年の世界金融危機を契機とした不動産バブルの崩壊と、続いて発生した財政危機で深刻な打撃を受けた。独自の言語や文化を誇りとしている約750万人の住民の間では、税収の再分配を担っている中央政府から不当に扱われているとの認識が優勢になっている。

 中央政府は、マス首相が署名した政令の無効を求めて憲法裁判所に提訴する手続きをすみやかに開始した。(c)AFP/Daniel BOSQUE