【9月28日 AFP】香港(Hong Kong)で27日夜、数千人が政府本部前に集まり、中国政府が政治的自由の拡大を認めない限り抗議行動を継続する姿勢を示した。

 中国政府が先月、初めて普通選挙制度が導入される予定の2017年の次期香港行政長官選挙に中国政府寄りの委員会が認めた人物しか立候補させないという方針を示したことに反発し、香港では今月22日から大学生などが抗議行動を行っている。

 26日夜から27日未明にかけて主に大学生と中高生の2000人以上のデモ参加者が抗議行動を行い、約150人が警備の警官隊を突破して政府本部の敷地に入った。

 警察は催涙スプレーも使用して27日朝までに多数のデモ参加者を排除し、27日午後に最後まで残っていた74人を「政府施設への不法侵入と不法な集会」に関与した容疑で逮捕した。

 それでも、催涙スプレーから身を守るためコンビニエンスストアで買ったポンチョやゴーグルを身に着けたデモ参加者たちは政府本部前で座り込みを行った。民主化を求めている市民グループ「オキュパイ・セントラル(Occupy Central)」は、大規模デモを行って香港の金融街「中環(セントラル)」を占拠する計画を予定通り進めると発表した。

「中環占拠」は来月1日に始まるとみられていたが、オキュパイ・セントラルの創設者の1人ベニー・タイ(Benny Tai)氏は28日未明のスピーチの中で「オキュパイ・セントラルはいま始まるのだ」と述べた。警察との衝突を繰り返しながら数千人以上に増えた若者主体のデモ隊は、香港がより大きな政治的自由を手にするまで抗議行動を続ける姿勢を示している。(c)AFP/Benjamin HAAS