「申し訳なく思う」、孫楊が「耳障り」発言を謝罪
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【9月27日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian Games、Asiad)の競泳に出場している中国の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)が26日、日本の国歌は「耳障り」だと発言したことを謝罪し、誤解があったと述べた。
孫は24日に行われた4×100メートル自由形リレー決勝で、ライバルの日本に勝利したあと、中国メディアに「中国人は今夜、怒りを吐き出した」とコメントし、日本の国歌を批判していた。
競泳の日本選手団と関係者は、アジア大会で政治的論争に巻き込まれたくないとしてコメントを控えているが、コーチの一人は、孫の発言が日本の選手に影響を及ぼしていないことを明らかにしている。
五輪金メダリストの孫は、26日に行われた競泳男子1500メートル自由形で大会連覇を果たしたあと、報道陣に対し、「いくつかのメディアに報じられた国歌のことについて、申し訳なく思っている」とコメントした。
「誤解されている部分があると思う。僕はほかの国の国歌について、本当に何も知らないんだ」
「だけど、すべての選手は自分の国の国歌を聞きたいと思っている」
孫が中国メディアに「正直に言うと、日本の国歌は耳障りだ」と発言したことについて、日本競泳チームの梅原孝之(Takayuki Umehara)コーチは、特にコメントすることはないとしている。
梅原コーチは、「それはとてもデリケートな問題です。われわれは彼の発言を直接聞いていないので、コメントすることは難しい。しかし、彼の発言で動揺したり、不快感を示したりした選手は、これまでのところいません」と語った。
「われわれは泳ぐためにここに来ました。そして選手たちは水泳以外の問題に関与しません」
「(日本の)選手たちは孫選手と切磋琢磨してきたし、彼の人柄も知っているので、悪意のある発言ではなかったと考えています」
6日間の日程で行われた今大会の競泳男子で、日本勢は金メダル8個を獲得しており、アジアで圧倒的な強さを誇っていた中国勢の7個を上回った。
競泳男子背泳ぎの入江陵介(Ryosuke Irie)は、孫の発言について、「僕と孫は個人的に仲が良いですが、発言については直接聞いていないのでなんともいえません」と語った。
「もしかしたら、意味の取り違えがあるのかもしれない。だけど、そういう発言があったとしても、彼が優秀なアスリートであることに変わりはありません」
(c)AFP/Alastair HIMMER