【9月26日 AFP】南アフリカ政府がチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ(Dalai Lama)14世への査証(ビザ)発給を拒否したことに抗議して、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者6人が南アフリカで来月開かれる国際会議へのボイコットを表明した。カナダを拠点とする「ノーベル女性の会(Nobel Women's Initiative)」の広報担当者が25日、述べた。

 南アフリカ政府は、ダライ・ラマ14世をチベット独立活動家とみなす中国の反発を買わないため、ケープタウン(Cape Town)で開催されるノーベル平和賞受賞者世界サミット(World Summit of Nobel Peace Laureates)へのダライ・ラマ14世の出席を拒否した。

 これに対し、米国の活動家ジョディ・ウィリアムズ(Jody Williams)氏、イランの弁護士シリン・エバディ(Shirin Ebadi)氏、リベリアの平和活動家リーマ・ボウイー(Leymah Gbowee)氏、イエメンの人権活動家タワックル・カルマン(Tawakkul Karman)氏、北アイルランド活動家のマイレッド・マグワイア(Mairead Maguire)氏、および地雷禁止国際キャンペーン(International Campaign to Ban Landmines)の代表者の、ノーベル平和賞受賞女性6人がボイコットを表明した。

「ダライ・ラマはチベット問題に対して非暴力的な交渉による解決を呼び掛けている」と、ノーベル女性の会はボイコット発表の際に述べた。

 さらに、中国政府がダライ・ラマの移動の自由を制限するために政治的な圧力をかけていると非難し、「中国は南アフリカが同宗教指導者の入国を拒否したことに公式に謝意を表明した」と付け加えた。

 これに先立ち今月、ノーベル平和賞受賞者14人が南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領に対し、ダライ・ラマへのビザ発給を要求していた。(c)AFP/Lawrence BARTLETT