【9月25日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」とつながりのあるアルジェリアの武装組織「カリフの兵士(Jund al-Khilifa)」は24日、拘束していたフランス人男性を斬首する映像を、インターネット上に公開した。

 殺害された写真家・登山家のエルベ・グルデル(Herve Gourdel)さん(55)は、アルジェリア入りした翌日の21日、かつて人気観光地だったがその後イスラム過激派の活動域となっていたジュルジュラ国立公園(Djurdjura National Park)をハイキング中に拉致された。

「カリフの兵士」は、米国主導の対イスラム国作戦の一環としてフランスがイラクで実施している空爆を24時間以内に止めなければグルデルさんを殺害すると脅迫。フランス政府はこれを拒否していた。

 公開された映像は「フランス政府に向けた血のメッセージ」と題され、イスラム国がこれまでに公開してきた英米人3人の斬首映像と似た手法で作られている。映像の中で戦闘員らは、グルデルさん斬首の目的は「アルジェリアの犠牲者に対する報復」と、イスラム国がイラクとシリアで樹立を宣言したイスラム国家への支持にあると語っている。

 斬首映像の公開を受け、国連総会出席のため米ニューヨーク(New York)を訪れているフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は記者団に対し、同組織の「卑劣な」行為を非難。さらに国連総会での演説で「フランスは市民の1人の殺害という苦難を経験しているが、脅迫に屈することはない」「テロリズムに対する戦いは継続し、強化されなければならない」と述べ、イスラム過激派対策についての方針に変更はないとの姿勢を貫いた。(c)AFP