小さすぎるコンドームはエイズ対策を阻害、ウガンダの議員ら警告
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【9月21日 AFP】東アフリカのウガンダで、国内で流通しているコンドームの多くがサイズ過小だとする苦情が国会議員に殺到しており、議員らはこの問題が後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)対策面で大きな痛手になると警告している。
国会HIV・エイズ委員会のトム・アザ(Tom Aza)議員は、コンドームのサイズが1つしかなければ全ての男性への対応は難しいと主張。テレビチャンネルNTVウガンダに対し、先日HIV感染が深刻な地域を調査したところ、一部男性の性器が大きく、大きめのコンドームの導入を検討する必要性が明らかになったと語った。同議員は、こうしたコンドームが「当然ながら性交渉の際に破れてしまう」とコメントした。
また、メラルド・ビテキエレゾ(Merard Bitekyerezo)議員は、「若者の間から、支給されているコンドームの中に短すぎて装着できないものがあるとの不満の声が上がっている」と発言。同委員会の別のメンバーであるサラ・ネタリシレ(Sarah Netalisile)議員は、サイズの選択肢がないことで、若年層の男女やコンドーム使用者全員が、HIV感染やエイズ発症のリスクにさらされていると危機感を示した。NTVウガンダによると、議員らはコンドームの供給を改善し、大きめのサイズの導入を求めていく方針という。
ウガンダは「禁欲(Abstinence)・貞節(Be faithful)・コンドーム(Condom)」の頭文字をつなげた「ABC」戦略により、1992年にピークの18%に達した感染率を2005年に6.4%まで引き下げたものの、2012年に7.2%に戻した。国内の感染者は現在180万人とされ、エイズで両親を失った100万人近い子どもたちが孤児になっている。
コンドームのメーカーに性器のサイズの問題が提起されたのは、ウガンダの今回のケースが初めてではない。2006年にはインド医療研究評議会(Indian Council of Medical Research、ICMR)が、コンドームの国際サイズより性器が少なくとも2.4センチ短い男性がムンバイ(Mumbai)では60%を占め、5センチ短い男性は30%に上ると報告した。(c)AFP